岐阜地裁で13日、知人から約2500万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた被告の男性(64)=岐阜市=が、懲役3年6カ月(求刑懲役4年)の判決を受けた。男性は昨年、事件での勾留中、読んだ新聞記事をきっかけに「償いとは何か」と大学教授に手紙を出した。「善と悪の心が戦っている」「生涯償っていく」――。心情や更生への思いをつづっていた。
判決によると、男性は2022年11月~23年10月、知人男性に「競馬の八百長レースがある」などとうそを言い、賭け金や手数料などの名目で11回にわたり、現金をだまし取った。
浜口紗織裁判官は「過去にも2回ほぼ同様の手口で詐欺を行い有罪となった」と指摘。「退職金のほとんどを詐取された被害者の怒りは大きいが、弁償の見込みはない」としたうえで、だまし取った金の半分以上を競輪に費やしたとして「酌量の余地はない」と述べた。
検察側の冒頭陳述や論告によると、男性は人材派遣会社を営んでいたが、7、8年前から無職だった。公判では「自分のような被害者が出ないように、少しでも長く刑務所に入れてもらいたい」との厳罰を望む被害者の声も紹介した。(高木文子)
人をだますとき、まず自分自身にウソをつく
「償いとは何ですか」
朝日大学法学部の大野正博教授(刑事法)のもとへ勾留中の男性から手紙が届いたのは、昨年12月初めのことだ。
大野氏は犯罪や非行をした人…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル